もったいないばあさんとSDGs

●「もったいない」のもったい(勿体)とは、あるべき姿のこと。私はあるべき姿とは、循環だと思うんです。自然もものも、循環しないのがもったいない。使い捨てではなく、また生かされる流れの中で暮らしていきたいですね。

倉敷からの帰りに、大阪の姉と待ち合わせして、奈良の天河大辨財天社におまいりにいきました。
毎年お願いしている宮司さんにご祈祷いただき、「もったいない」について👆のように話していると、きいていた姉が「いい話やね」と感心してくれました。
その帰り道の車中で、
まもなく出版される特集雑誌(絵本で学ぶSDGs)のインタビュー記事について、編集者さんと電話で話していると、またやりとりを聞いていた姉が、「その記事には、まりちゃんがさっき宮司さんに言ってた、もったいないの、循環の話も載るんだよね?」と聞くのです。
「それは、、のらないねん」と言うと、「え、なんで?いい話やのに。循環しないのがもったいないって、それこそSDGsの本質なんじゃないの?」と姉に言われ、はっとしました。ほんまや。
それからまたすぐ編集者さんに電話して、一番大事なフレーズが抜けていたとお詫びお願いすると、締め切りはとうにすぎてるのに修正してくださり、無事記事の中に盛り込むことができました。
もしも、あの日、あのとき、姉と天河に行かなければ、宮司さんともったいないの話をしなければ、このフレーズは、載らなかったかもしれない。姉の言う通り、本質的なすごく大事なことなのに。
神さまに救われた気がしました🙏

『絵本で学ぶSDGs』は、特集を企画された、絵本でSDGs推進協会の朝日仁美さんが、私のインタビューをしてくださいました。よかったらぜひご一読くださいませ。8月下旬別冊太陽のシリーズとして平凡社より出版予定です。

 

 

●もったいないばあさんとSDGsについて

この機会に、長文となり恐縮ですが、私の考えを書かせてください。

記事の中にも書かれていますが、もったいないばあさんは、SDGsという言葉が普及する前に出版されました。なによりもまず、絵本として楽しんでほしいと思っています。SDGsという言葉が普及してからは、宣伝文句として本の帯に書かれるようになりましたが、もったいないばあさんからSDGsという言葉を使ったことは一度もなく、もったいないばあさんの本がまるでSDGsのために作られたと思われないように、あまりにそればかりになりすぎないように、私自身は表現の仕方にとても気を遣っています。

とはいえ、『もったいないばあさんと考えよう世界のこと』の内容は、SDGsそのものだと思うし、わかりやすいツールの一つとしてお使いいただけたらよいなと思います。

「もったいない」は、命の大切さを伝える言葉。私たちが生きていくためにいただく命、自然の恵みに感謝して、大切にする。じゃないともったいない。いま地球で起きている問題は命を一番に考えていたら起きなかったと思うことばかり。「自分さえよければと思わず分け合う気持ちがあれば」「命はすべてつながっていて、ひとつひとつの命が大切なんじゃよ」という、もったいないばあさんからのメッセージがSDGsの理解につながれば、と。

もったいないばあさんのワールドレポート展の内容の講演会タイトルに、主催者のご希望により、もったいないばあさんと考えよう世界のこととSDGs、というタイトルが使われることがありますが、上のことに気づいてから今後は、私がお話するタイトルは本と同じく「もったいないばあさんと考えよう世界のこと」にできるだけ統一させていただきたいと考えています。お話する内容は同じなんですけど。。

SDGsの授業よりもったいないばあさんの話の方がわかりやすくて心に響くと、言われることがあります。伝えたいこと、目的は同じだと思うので、わかりやすく理解するために、よかったら、SDGsの話や授業の時に、もったいないばあさんの本を使ってもらえたらと思います。

子どもたちには、ただ絵本として楽しんでもらうのが一番です。

写真は、奥伊勢の別宮にて。

Table For Two & おはなし隊コーナー

Table For Twoの米国代表Mayumi Uejima-Carrさんが講談社さんに来てくださり、いろいろお話をうかがいました。

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Mayumiさんは、Table For Twoの活動の中で、アメリカの子供達に和食や和の文化を教える食育プログラムを企画し伝える活動をされています。その中で、「もったいない」の精神や食への感謝「いただきます」「ごちそうさま」について言及し、もったいないばあさんの絵本もご紹介くださっているとのこと。
アメリカでは、残したらもったいないという考え方、命や作ってくれた人に感謝すること、食べ物を大事にすること、バランス良くヘルシーな食生活をすることなど、食についての教育がほとんどされていない状況で、Mayumiさんたちの食育プログラムはとてもよろこばれているそうです。
Table For Twoが企画したSNSのおにぎりアクション#Onigiri Actionが、少し前日本でも盛り上がっていましたが、アメリカの子どもたちにも、おにぎりワークショップが大人気。
和の文化の良さとともに、Mottainaiというコンセプトが広く理解され、アメリカの子どもたちにも、もったいないないことしていたら、Mottainai Grandmaがくるよ!と思ってもらえるようになったらうれしいです。

講談社さんの1Fエントランスホールでは、全国訪問おはなし隊の活動紹介コーナー(期間展示)があり、読まれた回数が一番多かった本として、もったいないばあさんをご紹介いただいていました。隊長さんと読み聞かせボランティアのみなさん、本当にありがとうございました!

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Category: 人、対談

カイラシュ・サティヤルティさん

来日中のカイラシュ・サティヤルティさんと。

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ノーベル平和賞を受賞されたカイラシュさんは、児童労働や人身売買を撲滅するための団体「BBA/SACCS・南アジア奴隷解放連盟」をインドで設立し、子どもたちの救出に取り組んでこられました。これまでに8万人以上の子どもたちを、カイラシュさんが直接現場から救出されてきたそうです。
私は2009年、「もったいないばあさんと考えよう世界のこと」制作のためインドのBBAに伺い、児童労働から救出されリハビリをうける子どもたちを取材させていただきました。
子どもたちが働かされている問題は、地球で起きている問題の中で、自分自身が一番気になること。すべての子どもたちが笑顔で安心して暮らせる世界を願い、これからもカイラシュさんたちの活動を応援していきたいと思います。
絵本「もったいないばあさん(Mottainai Grandma)」は、ヒンドゥー語の通訳と一緒にBBAの子どもたちにも読ませていただきました。そして今度はJICAが支援するインドの環境教育に使用されることになり、またインドに行きます。

カイラシュさんを招聘された日本のNGO・ACE
http://acejapan.org/about/mission
は、世界の子どもたちを児童労働から守るために活動されています。代表の岩附さんには、もったいないばあさんのワールドレポート展の内容をまとめる時からいろいろおしえていただき、取材のためにBBAをご紹介いただいたり大変お世話になりました。私もマンスリーサポーターです。

5/24宮西さんと@刈谷市美術館

5/24愛知県刈谷市美術館で開催中宮西達也さんワンダーランド展トークイベントにゲストとして伺いました。かけあい漫才のような楽しいひとときで、宮西さんは太陽のように明るく輝いているなあとあらためて思いました。

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チームうまそうのみなさんと。

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うまそうの和菓子。茶室でいただけるそうです。かわいい〜

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会場入り口の前で、3時間も並んでくれたきょうこちゃんと。きょうこちゃんのお友達が作ってくださったお洋服&バッグと。ありがとうございました♡

イベントの整理券は200名で打ち切られ、会場に入れなかった方々も…申し訳ない気持でいっぱいです。。。みなさん、おつかれさまでした。
そして、宮西さん、刈谷市美術館の皆さん、楽しい機会を本当にありがとうございました!

宮西さんのワンダーランド展は、6/7まで。最終日の午後、宮西さんがライブペインティングされるそうです。

乙武洋匡さんと/dandanの対談

講談社絵本通信の情報誌【dandan】vol. 25号ができました。
今回は、先日の乙武洋匡さんとの対談記事が、掲載されています。
テーマは、「これが絵本の底ぢから」
そして、全国訪問おはなし隊14000回記念に同行して、私も宮城へ伺った際のレポートも。

 

 

絵本の底ぢから…

前向きに生きて行くためには、希望が必要で、希望をもつためには、心がうごく体験が必要。
同じ場所に暗く重い心でいると、そのまま動けない気がしてきます。
絵本は、心がうごく体験をする手段のひとつ。
だれでも手軽に、ページをひらくだけで、お話の世界に入ることができます。
わくわくしたり、どきどきしたり、じーんとしたり…
心が動く体験があれば、また動き出そうという気持ちになれると思うんです。

乙武さんからは、仙台での始球式のこと、石巻市の渡波小学校で、
FUNKISTと演奏をされたお話なども伺いました。
音楽や、スポーツを通して、メッセージを楽しく伝えられるって、すてきですね。
からだも心もたくさんうごかして、豊かな人生を送ってほしいです。

 

 

3/11のあと、すぐに被災地に行ってボランティア活動できないことに、申し訳なさや、
あせりや無力感を感じていました。
乙武さんも、自分が行っても足手まといになると思っておられたとのこと。
あの被災地の映像を見たら、だれだってすぐにとんで行って、できることはなんでもしたい
と思ったと思う。
だけど、子どもがいたり仕事があったり、何かしらの事情でとんで行けなかった。
私もそう。すぐに行けないことに罪悪感を感じていました。

そんなとき、乙武さんの本「希望 ーぼくが被災地で考えたことー」を読んで、
それぞれができるときに、できることをすればいい。役割分担だから。…と言っていただき…
頭ではわかっていたけれど、本当にそれでいいんだと納得。安心しました。

 

私は、乙武さんは「希望」をわかりやすく体現している方だと思います。
身体のない部分が多い乙武さん…
健常者がある日突然そうなったら、その人は絶望してしまうかもしれない。
けれども、こんなにも生き生きと輝いて、毎日を楽しんでいる乙武さんに会うと、
自分もまたがんばろう、やってみようと希望を感じ、勇気がでてくるんだと思う。

 

紙面に掲載されたこと以外にも、いろいろなお話を伺いました。
その中には、皆さんにとっても、生きるヒントになるのではと思うことも。
乙武さんは、本当に毎日楽しそうで、
「よくそういわれるんですよ^^♪」って笑うけど、
特別なことではなくて、ただすきな人と話をしたり、ごはんを食べたり…
そういうことが楽しいんだそうです。
なんとなくそうなんじゃないかなって思うんですけど?って聞いたら、そうです♪って。

 

「子どもたちにとって家庭はとても大切」という話もしました。
自分の存在に肯定感と自信をもって生きていくために。命の大切さがわかるために。

 

 

11/23掲載の毎日新聞連載コラム「もったいないばあさん日記」に、乙武さんとお話したことのエッセンスをこめました。↓クリックすると大きくなるので、読んでみてくださいね。

 

この文の最後のことば
「もしも、自分が死んでも悲しむ人なんて誰もいないと言う子がいたら、
私がすごく悲しむよと言って、いっしょに泣きたいよ」というのは、
「自分が死んだって悲しむ人なんかだれもいないと言う人に、なんておっしゃいますか?」
と聞いた時に、「ぼくが悲しむと言います」との乙武さんの答えでもあります。
もったいないばあさんならこう言うだろうと私もずっと思っていたことですが、
コラムの中にはそこまで書けず、すみません。せめてブログにと思い、今書いています。

乙武さんは、明るくてやさしくて、謙虚で真摯。
思いやりと感謝の気持ちがあって、常に子どもたちのことを一番に考える愛がある。
もったいないばあさんがいつも大事に思っていることを
ながなが説明しなくてもわかってくださると感じました。
お話しできて、本当にとてもうれしかったです。

 

最後に、
「もったいないばあさんと何かいっしょにできたらいいですね。
いっしょにすることで、よりよくなる何か」と乙武さんが言ってくださったのも、
すごくうれしかった!いい企画をぜひどうぞ、よろしくお願いします!

 

 

↑「dandan vol.25」の対談記事も、機会がありましたらどうぞご一読ください。
dandanは、おはなし隊のイベントで無料配布するほか、下記の方法でご購読いただけます。:

●〒ご住所、お名前、TEL、年齢、性別、ご職業、【dandanの希望号名=対談が載っているのは25号】を書いて、1部につき200円の切手を同封のうえ、dandan編集部へお送りください。
〒112−8001
東京都文京区音羽2−12−21
講談社 児童局 「dandan」編集部
TEL: 03−5395−3533

●dandan vol.25 表紙は、「でんせつのきょだいあんまんを はこべ」
サトシンさん作/よしながこうたくさん絵。超大作!

 

 

★最後の最後になりましたが、
ツイッターで話題の「オトことば」も読みました!
乙武さんのメッセージがわかりやすく響く。共感できる。
ただ言いたいことを並べてるのではなくて、ひとつひとつ、短くても心のこもった
ドラマなやりとりだから。
印象に残ったのは、「以前美輪明宏さんが『乙武さんは来世は間違いなく菩薩様』
とおっしゃったのを思い出しました。素敵ですね。ニッコリ」というフォロワーさんのツイート。
私も、
乙武さんって、菩薩さまが若い人にメッセージを伝えるために今風に姿を変えたような人だなあ…
と思っていたので、やっぱり!と思いました^o^/!
あ、でも…エロなんでしたっけ^^?

 

Category: 人、対談 , 絵本 , 連載

乙武さんありがとう!

今日は、乙武洋匡さんと対談をさせていただきました。
お目にかかれてとってもうれしかったです。

先日、おはなし隊と宮城に行った際、石巻に向かいながら、
乙武さんの著作「希望〜僕が被災地で考えたこと」という本を読んだんですという話を
いっしょに行った編集者さんにしたところ、
「お話できたらいいですね」ということになり、実現しました。
テーマは「絵本の底力」!
講談社の絵本のフリー雑誌「dandan」に掲載予定です。ぜひ読んでみてくださいね。

乙武さんは、やさしい。思いやりがあって、気配りもさりげない。
謙虚でさわやか。男前。あたまもいい。いいところいっぱい。
中でも、明るくて、毎日楽しそうなところが、すごくいい。
どうしてそんなに楽しそうなんですか?って聞くと、
「いやあ、よくそう聞かれるんですよ」って笑ってる。
乙武さんが、毎日を生き生きと楽しそうに、精一杯生きているから、
みんな乙武さんに会うのがうれしいんだと思う。
ほんとにすばらしい。
私もすごくうれしかった!
いちファンとしてもだし、
もったいないばあさん的にも、
自分が大事に思っていることを同じように思ってくれる、共感できる友人に出会えた気がして、
本当にとても、うれしかったです。
乙武さん、ありがとう!

とりいそぎ、お礼を早く伝えたくてここでアップします。
またの機会を楽しみにしています。

乙武さんは、今日全部で7つの打ち合わせやインタビュー、対談があって
分刻みのスケジュールだったとか。本当にありがとうございました。
そうだ、言い忘れてましたが、
「オトタケ先生と3つの授業」も「だいじょうぶ3組」も読みました!
乙武先生に会えた子どもたちはほんとにラッキー。
そのときの学びや経験は、一生の宝物になると思います。

Category: 人、対談

マータイさん

MOTTAINAIを合言葉に、平和のための活動を続けてこられたマータイさんが
なくなられたとお知らせをいただきました。
とても悲しいです。
まだ信じられません。
マータイさんが来日された際にお目にかかり、対談させていただく機会もありました。
もったいないばあさんの新しい絵本も、ワールドレポート展の活動や広がりなども、
「あなたもMottainai Grandmaもよくがんばっているわね」とはげましてくださって…
もったいないばあさんの絵本をいろいろなところでご紹介くださいました。
マータイさんに会えるとうれしくて、いつも前向きになんでもできるような
幸せな気持ちになりました。

ご自身が推奨される3R(Reduce,Reuse,Recycle)を一言で言い表すことばとしてMOTTAINAIを提唱されていましたが、3R以外に、MOTTAINAIには4つ目のR「Respect」が含まれていて、だからこそ、MOTTAINAIは世界平和につながる言葉なのだとも言っておられました。
私も「もったいない」には愛があって、自然や他の人、他の命に感謝と思いやリを
もつことが大事と思うんですと言うと、「そう、それと同じことね」と
わらってよろこんでくださったマータイさん。
日本人ではないマータイさんが、もったいないの心の部分、コンセプトまでも深く理解して提唱されていることに感銘をうけました。
「これから、あなたもMottainai Grandmaも、いろいろな国に行って、それぞれの文化でもったいないをみつけるでしょう。どの国や地域に行ってもそれぞれのもったいないがあり、ものを大切にする文化があります。それこそ、私がもっともすばらしい、大切にすべきだと考えているものです。だからこそ、もったいないはユニバーサルな言葉なのです」
と言われた言葉が心に残っています。

ノーベル平和賞を受賞され、国連平和大使に就任されてから、
ますますお忙しいスケジュールになっても笑顔をたやさず、精力的に各地をまわって
多くの人々に感動をあたえてこられたマータイさん。
やさしくてあったかくて、愛情あふれる大きなお母さんのような方でした。

地球を緑にというグリーンベルト運動も、MOTTAINAIの活動も、
その心、コンセプトまでしっかりとつないで、続けていくことができますように、
願っています。

ご冥福を心からお祈りしています。

●マータイさんとの思い出、
2006/2/21対談時のマータイさんのことばの一部をここに書き記します:
「私がなぜ平和の大使として、「もったいない」という考え方を広げる活動をしているのか、その理由のひとつは、平和は、私たちが、限られた資源をどうやって平等に分配し、仲良く暮らしていけるかにかかっていると思うからです。もしも、限られた資源が平等に分配されなければ、人びとは、他の人々を排除しようとして戦いになるでしょうし、人びとが資源を浪費して感謝しなければ、遅かれ早かれ結局戦争が起きることになります。人びとは過去にも戦ってきましたし、これからも戦い続けていくでしょう。国の境がなくなってきているために、遠く離れた隣人とも、もっと簡単に争うようになりました。皆で平和に暮らしていくために、私たちが同じ星に住むファミリーとして、どのように政府を持ち、どのように資源を分配するか、対立を抑えるために何をすればいいのか、もう一度考え直す必要があります。このことは、環境に対する人びとの注意を促すために、2004年に国連でも確認されました。環境問題は、平和を脅かしている最も重大な懸念のひとつです。「もったいない」は、そのメッセージを伝える言葉だと思います。尊敬と感謝の気持ちをもって資源を使いましょう、無駄に使うことをやめましょう、再利用し、リサイクルしましょう。そして、争いをやめ、対立を抑えるために努力をしましょう……。私は、世界の人々がこのメッセージを受け取ってくれることを願っています。」

マータイさんとの思い出記録1

 

●MOTTAINAI STATIONにて、マータイさんのご冥福をお祈りして、ご記帳の受け付けをされるそうです。9/27より平日11時~18時。こちらの場所です> http://mottainai.info/cp/station/

 


2010/2/17
最後にお会いしたパーティーにて

Category: 人、対談

マータイさんと再会

2年ぶりに来日されていたマータイさん。
国連平和大使になられたこと、旭日大綬章を受賞されたこと&MOTTAINAIキャンペーン5周年のお祝いの会があって、お目にかかりました。
もったいないばあさんのワールドレポート展の活動やMottainai の広がりなど
This is really really 、really wonderful !! と
すごく喜んでくださいました。


「こんなにGrandma飛びまわって、あなたも忙しいでしょう」「マータイさんほどでは」

かわらぬやさしい笑顔とお元気なご様子、お会いするといつも本当にうれしくて、
明るい希望がいっぱいあるような気持ちになります。

For 5 more years、MOTTAINAI を広げていきましょう!
とマータイさん。がんばります

この日(17日)は
文教堂書店の新城駅店さんで
もったいないばあさんのおはなし会も ありました。
本が出た一番最初のころから
いつもあたたかいご支援ありがとうございます。また遊びに行かせてくださいね。

2月13日は 松戸市で、もったいないばあさんのおはなし会のような講演会をさせていただきました。
朝からさむ~い雪がシンシン降っていて、
お客さん来てくれるかなあと気になっていましたが、
600人もの方々が予約不要の無料イベントにもかかわらず 集まってくださって
すごくうれしかった ;;
主催の松戸市の方が、いまだかつてないくらいチラシまきましたと言われるほど
がんばって広報してくださったおかげです。
本当にありがとうございました!

●マータイさんと対談過去の記事

マータイさんとの対談(2006年2月21日)

ワンガリ・マータイさんとの対談(2006年2月21日)

30マータイさんと2005年

真珠:お目にかかれて光栄です。
マータイさんの笑顔は、みんなを幸せにするすてきな笑顔だと思います。

マータイ:どうもありがとう。

真珠:絵本『もったいないばあさん』を読んでくださりありがとうございました。4歳の息子に「『もったいない』ってどういう意味?」と聞かれてうまく答えられなかったことが、この絵本を作ったきっかけです。その時、もったいないは感謝の気持ちがこめられた言葉なので、一言では説明しきれないことに気づきました。子どもは、心で思うようにイメージとして理解するものだと思うので、絵本を通して「もったいない」を伝えたいと思い、この絵本をつくりました。

マータイ:あなたの絵本はすばらしいですね。おばあさんは「もったいない」の精神を忍耐強くしっかりと子どもたちに伝えていると思います。いつも登場する男の子の絵もかわいらしく、話の内容もよく絵本にあっていてとても気に入っています。絵本はもったいないを広めるために、とてもよいコンセプトですね。

真珠:ありがとうございます。日本には「おばあちゃんの知恵袋」という言葉があり、もったいないばあさんは知恵を伝えないのが一番もったいないと思っています。身近な暮らしの中の工夫で、子どもたちに楽しい知恵をおしえてくれるのですが、ケニアにも「おばあちゃんの知恵袋」のようなものはありますか?

マータイ:どの国や地域に行ってもそれぞれのもったいないがあり、ものを大切にする文化があります。それこそ、私がもっともすばらしい、大切にすべきだと考えているものです。私は、人々にビニール袋を一度使っただけで捨てるのはやめて、再利用しましょうと呼びかけてきました。ビニール袋に代わるものとして、ケニアでは伝統的なかご、キョンドとよばれるバスケットがあります。

真珠:私、昨年の愛知万博に行った際、ケニアのブースで伝統工芸品のかごを買いました。

 

マータイ:そう、それがキョンドです。キョンドは自然の素材で作られていて、使い捨てではなく、何度でも使うことができるものです。すべての文化には、それぞれのもったいないがあり、それゆえに、私は「もったいない」は世界の人々にも理解され、祝福されると考えているのです。
それにしても、この絵本は、本当にすてきですね。英語の訳をつけてくれてうれしいです。まあ、これは、新しい絵本?(『もったいないばあさんが くるよ!』をさして)これもすばらしいですね。

真珠:その本は、昨年、朝日小学生新聞で連載されたものをまとめたものです。こちらは、現在、毎日新聞で連載されているコラム「もったいないばあさん日記」です。ご家族で読んでいただけるように書いています。
(『もったいないばあさんが くるよ!』の江戸時代のページをさして)日本には、100%リサイクルを実現していた江戸という時代がありました。このページでは、もったいないばあさんが江戸時代に行って、レポートしているのですが……。

マータイ:あら、この人は何をしているの? (たがやをさして)太鼓をたたいているのですか?

真珠:いえ、木のバケツを修理しています。江戸時代では、髪の毛もかつらを作るために再利用されていましたし、ろうそくのしずくさえ集めて使っていたそうです。もったいないばあさんが、ケニアやアメリカや世界の他の国々に行って、もったいないことをレポートする、というのもおもしろいのではと考えています。

マータイ:それはすばらしい考えですね。ケニアでのもったいないストーリー、ぜひチャレンジするべきだと思います。もったいないのコンセプトを世界に広げるためのひとつの手段として、とてもいい方法だと思います。どこに行っても、どの文化にも、資源を大切にし、自然の恵みに感謝している、それぞれの知恵、それぞれの伝統を見つけることができるでしょう。私の国ケニアでは、穀物が出来すぎると人々に悪いことがおきると考えられ、収穫の一部を燃料にかえし、与えられたものに対してリスペクトするという祭りごとをしています。あたながケニアに来た時に、それについて書きたいと思うかもしれませんね。きっとたくさんの文化を見つけることができるでしょう。だからこそ、「もったいない」は本当にユニバーサルな言葉なのです。
あなたが、「もったいない」を絵本の中で表現していることはとてもすばらしいと思います。立派なお仕事をされたこと、おめでとうございます。私もこの絵本がたくさんの言語に翻訳されて、世界の国々に広がっていくことを願っています。

真珠:ありがとうございます。私はいつも、「もったいない」には愛があると思っています。ベースに愛があるのが「もったいない」だと。愛をベースに命の大切さを伝える言葉「もったいない」を作品の中で伝え、マータイさんのキャンペーンをこれからも応援してまいります。

マータイ:どうもありがとう。私がなぜ平和の大使として、「もったいない」という考え方を広げる活動をしているのか、その理由のひとつは、平和は、私たちが、限られた資源をどうやって平等に分配し、仲良く暮らしていけるかにかかっていると思うからです。もしも、限られた資源が平等に分配されなければ、人々は、他の人々を排除しようとして戦いになるでしょうし、人々が資源を浪費して感謝しなければ、遅かれ早かれ結局戦争が起きることになります。人々は過去にも戦ってきましたし、これからも戦い続けていくでしょう。国の境がなくなってきているために、遠く離れた隣人とも、もっと簡単に争うようになりました。皆で平和に暮らしていくために、私たちが同じ星に住むファミリーとして、どのように政府を持ち、どのように資源を分配するか、対立を抑えるためには何をすればいいのか、もう一度考えなおす必要があります。このことは、平和を脅かしている最も重大な懸念である、環境に対する人々の注意を促すために、2004年に国連でも確認されました。「もったいない」は、そのメッセージを伝える言葉だと思います。尊敬と感謝の気持ちをもって資源を使いましょう、無駄に使うことをやめましょう、再利用し、リサイクルしましょう。そして、争いをやめ、対立を抑えるために努力をしましょう……。私は、世界の人々がこのメッセージを受け取ってくれることを願っています。

真珠:同じ時代にマータイさんと同じく、もったいないの精神を伝える活動をするものとしてお目にかかれたことを大変光栄に思います。今日は本当にありがとうございました。

マータイ:こちらこそ、あなたに会えてよかったです。すばらしい絵本をありがとう。

Category: 人、対談