もったいないばあさん日記「和の食」
今日は、もったいないばあさん日記今年最後の掲載日でした。
毎日新聞連載第99話「和の食」
このコラムを書くことで、日本の心、和っていいなあと改めて思いました。
ぜひ読んでみてください>
…日本では昔から、今日も無事に命が生かされているのは有難いことと考えられてきた。
私たちが生きていきためにいただく命、自然の恵みに感謝して、
残さないように大事にいただく「もったいない」の心を私たちは持っている。
和食を理解してもらうには、そこに込められた心も知ってもらえるといいね。
和食の「和」には、異なるものが出合って、違いがあっても一緒にいることを楽しむという意味もある。
和の料理は、食材の一つ一つを大事にして、その良さを引き出しながら、全体を調和させる料理。
そのために、昆布やかつおぶしでとった、うま味たっぷりの出汁が使われるんじゃ。
和食は、食材の和を作る料理なんじゃよ。
人の和は、季節の行事やお祭りで、皆で集って食べることで作られてきた。
食事は、ただお腹を満たすためだけのものではなく、習慣や作法を知ることで、
こういうことを大事にしていくと、人と人との和が育まれる、ということを学ぶ場でもある。
食事の時に手を合わせて言う「いただきます」と「ごちそうさま」。
自然を敬い人にやさしく感謝する心もまた、世界に伝え、 そして、日本の中でもなくさないように守っていきたいものじゃ。
★「和食は、食材の和を作る料理なんじゃよ」…この一文に思い至ったとき、
日本の料理はなんてすばらしいんだろうと、胸が熱くなりました。
ひとつひとつ、一人一人を大切にして、違いを楽しみ、共にいることをよろこび合えるように、
全体を調和させていく…それこそが和の心、「もったいない」の根底に流れている心でもあります。
大事に守り、伝えて行きたいです。
この連載コラムももうかれこれ8年続き、9年目に入りました。新年の最初に、第100回を迎えます。
そして来年は、もったいないばあさん10周年の年でもあり、なんだか記念すべきおめでたい回。
何の話を書こうかな。