「もったいないばあさん かわをゆく」原画展
9/5から北海道の絵本の里、剣淵町・絵本の館にて、「もったいないばあさん かわをゆく」原画展が開催されます。ただいま原画の修復作業中。以下はイベントページにも書きましたが、ここにも。
もったいないばあさんの原画は、描いて切って貼って作っていて、紙が重なっているところがぼこぼこして立体的です。着色の基本はカラーインクを使用のため退色しやすく、長く展示すると色が抜けてしまうのです。
それで色がぬけてうすくなってしまったところを修復しているのですが、今回は不透明水彩を使用して着色しました。
なぜ最初からカラーインクではなく退色しにくい画材を使わないかというと、最初の本の原画の質感と統一したくて、というのと、カラーインクの発色がとてもきれいで、他の画材では出せない鮮やかだけどなつかしいような質感がある、と思うから。原画展のことを考えたら他の画材に変えたほうがよいと思いながら、絵本にした時の出来上がりがやっぱり一番と思いずっとカラーインク。元の鮮やかな発色を留め置く技があればいいのに…と何年も発明を望んでいます。
そういう事情もあって、もったいないばあさんの原画はあまりたくさん展示会ができないのと、ぼこぼこ立体的なのも原画で見ないとわからない迫力や面白さがあって、見応えがあると思います。お近くで展示の際には、ぜひぜひご覧になってください。
ぼちぼち作業を終えて、剣淵に送ります。