もったいないばあさん日記第150回「日本のいいところ」
もったいないばあさん日記第150回「日本のいいところ」
…..日本人は昔から、四季の移ろい、自然の美しさに情緒を感じてきたんじゃよ。日本の庭は、あるがままの自然、時を重ねて朽ちてゆく様子さえも楽しむもの。苔むした石に、色づいた葉や桜の花びらが舞い落ちる姿を美しいと思ったり、そこに流れる時間や微妙な色合いの変化から、見えているものだけでなく、見えないものにも良さを感じたんじゃ。夏は暑いからいや、冬は寒いからきらいというのでもなく、雨も風も、雪もくもりも、すべての日に、それぞれの趣があって良しとした。情緒は、言葉でうまく説明できないけど、心で思うようにわかること。情緒があるから日本はいいというのは、心が大切にされてきたということなんじゃよ。心があるから、使う人のことを思いやり、誠心誠意いいものが作られてきた。客人が気持ち良くすごせるようにと考える、おもてなしも同じ。
情緒を感じる心は、自然や人を敬う「もったいない」の心にもつながっている。日本のすごくいいところじゃよ。
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この原稿を書くために、情緒があるというのはどういうことか、考えてみました。
たとえば、桜色という色ではなく、重ねた着物の袖から少し見えるうす紅色の濃淡、その色の重なり全体で「桜色」を見ることとか。情緒というテーマで、あと3回くらい書きたい。もったいないばあさんの日々の暮らしは、HPやツイッターに続けていこうと思うので、またみてね。
毎日新聞さん、そして読者の皆様、長い間本当にありがとうございました🌸