毎日新聞連載コラム「もったいないばあさん日記」

毎日新聞さんで連載中のコラム「もったいないばあさん日記」も
はや6年目に突入の長い連載になりました。
子ども向けの絵本では伝えきれない、
もったいないばあさんの日常生活や人となり、深い話などがあって
自分ではとても楽しく書かせていただいてます。
先月は、COP10があったので
こんな↓お話になりました。読んでみてね。 

 

 

「森の集まり」
 

森の生きものたちの集まりを のぞいてきたよ。
木のテーブルの上に、みんなで持 ちよった松ぼっくりやどんぐりなど
いろいろな木の実が 並べられていた。
「今年はどんぐりが少ないね。あちこちさがし回っちゃった」
「私も遠くまで行きました」
「前はこの辺にもっと大きな木がたくさんあって、木の実の種類も多かったって、
おばあちゃんが言ってたよ」「どうして今はないの?」
「切られちゃったから。あと、病気で枯れたり」
「それに今年はすごく暑かったし、実が少ないみたい」
「向こうの森にまだ大きな木があるんだって」
「でも、柵ができて行けなくなったでしょう?」
「つっきって行こうか」
「あぶないですよ」「つかまえられたら大変」
「なんのために森の木を切るのかしら?」
「さあ、人間のやることはわからない。僕たちが困らないように、森も木も残しておいてくれたらいいのに」
ひとしきりおしゃべりの後、みんなで木の実を食べた。
「クマさんは大きいからたくさんどうぞ」「ありがとう」
「このかわいい実は鳥さんに、どうぞ」「ありがとう」
「サルさんもイノシシさんもすきなのをどうぞ」
「ありがとう」「ありがとう」
「リスさんは?」
「私はこれでもうじゅうぶん。お腹いっぱい。ありがと う」
みんなで分けあって食べる。自分が必 要な分だけもらう。食べ残しもなし。
もったいないこと なくていいね。
人間 同士の話も、こんな だったらいいのにね。

 

Category: 連載
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