もったいないばあさんとSDGs

●「もったいない」のもったい(勿体)とは、あるべき姿のこと。私はあるべき姿とは、循環だと思うんです。自然もものも、循環しないのがもったいない。使い捨てではなく、また生かされる流れの中で暮らしていきたいですね。

倉敷からの帰りに、大阪の姉と待ち合わせして、奈良の天河大辨財天社におまいりにいきました。
毎年お願いしている宮司さんにご祈祷いただき、「もったいない」について👆のように話していると、きいていた姉が「いい話やね」と感心してくれました。
その帰り道の車中で、
まもなく出版される特集雑誌(絵本で学ぶSDGs)のインタビュー記事について、編集者さんと電話で話していると、またやりとりを聞いていた姉が、「その記事には、まりちゃんがさっき宮司さんに言ってた、もったいないの、循環の話も載るんだよね?」と聞くのです。
「それは、、のらないねん」と言うと、「え、なんで?いい話やのに。循環しないのがもったいないって、それこそSDGsの本質なんじゃないの?」と姉に言われ、はっとしました。ほんまや。
それからまたすぐ編集者さんに電話して、一番大事なフレーズが抜けていたとお詫びお願いすると、締め切りはとうにすぎてるのに修正してくださり、無事記事の中に盛り込むことができました。
もしも、あの日、あのとき、姉と天河に行かなければ、宮司さんともったいないの話をしなければ、このフレーズは、載らなかったかもしれない。姉の言う通り、本質的なすごく大事なことなのに。
神さまに救われた気がしました🙏

『絵本で学ぶSDGs』は、特集を企画された、絵本でSDGs推進協会の朝日仁美さんが、私のインタビューをしてくださいました。よかったらぜひご一読くださいませ。8月下旬別冊太陽のシリーズとして平凡社より出版予定です。

 

 

●もったいないばあさんとSDGsについて

この機会に、長文となり恐縮ですが、私の考えを書かせてください。

記事の中にも書かれていますが、もったいないばあさんは、SDGsという言葉が普及する前に出版されました。なによりもまず、絵本として楽しんでほしいと思っています。SDGsという言葉が普及してからは、宣伝文句として本の帯に書かれるようになりましたが、もったいないばあさんからSDGsという言葉を使ったことは一度もなく、もったいないばあさんの本がまるでSDGsのために作られたと思われないように、あまりにそればかりになりすぎないように、私自身は表現の仕方にとても気を遣っています。

とはいえ、『もったいないばあさんと考えよう世界のこと』の内容は、SDGsそのものだと思うし、わかりやすいツールの一つとしてお使いいただけたらよいなと思います。

「もったいない」は、命の大切さを伝える言葉。私たちが生きていくためにいただく命、自然の恵みに感謝して、大切にする。じゃないともったいない。いま地球で起きている問題は命を一番に考えていたら起きなかったと思うことばかり。「自分さえよければと思わず分け合う気持ちがあれば」「命はすべてつながっていて、ひとつひとつの命が大切なんじゃよ」という、もったいないばあさんからのメッセージがSDGsの理解につながれば、と。

もったいないばあさんのワールドレポート展の内容の講演会タイトルに、主催者のご希望により、もったいないばあさんと考えよう世界のこととSDGs、というタイトルが使われることがありますが、上のことに気づいてから今後は、私がお話するタイトルは本と同じく「もったいないばあさんと考えよう世界のこと」にできるだけ統一させていただきたいと考えています。お話する内容は同じなんですけど。。

SDGsの授業よりもったいないばあさんの話の方がわかりやすくて心に響くと、言われることがあります。伝えたいこと、目的は同じだと思うので、わかりやすく理解するために、よかったら、SDGsの話や授業の時に、もったいないばあさんの本を使ってもらえたらと思います。

子どもたちには、ただ絵本として楽しんでもらうのが一番です。

写真は、奥伊勢の別宮にて。